
「あら探し」は職場環境の大敵
職場で改善点を探し、現場を向上させていく事はビジネスにおいても確かに大切なことです。
しかし、欠点を見つけ、指摘することだけが目的になってしまっている人、あなたの周りにもいませんか?
あっちにダメ出し、こっちにダメ出し…これでは、周りも段々不幸になってしまいます。
今回は現場の空気を「下げる人」から「上げる人」へと変身するのに必要なコツをお教えします。
「あら探しをする人」の本音
あら探しが職場環境を悪化させる理由
正しく使えばサービスの質を向上させる「改善点の指摘」ですが、度を越してしまうとただの「あら探し」になりかねません。それが招くのは職場環境の悪化に他ならないので細心の注意が必要です。
なぜなら、部下だったら「あの人には進捗を見せたくない」と、だんだん「仕事をすること」ではなく「非難されないこと」に意識が向くようになります。
そればかりではありません。
非難されることでモチベーションが下がるような思いをした人は、やがて不安定な精神状態に陥り、他人に対しても不機嫌に接するようになってしまいます。そして次の人もまた生産効率が落ちる…と、不幸のスパイラルに陥り、職場全体の生産力が丸ごと低下してしまいます。
一般的に生産力が下がるという事は漠然と分かっていながらも、しかしこれらは多くの現場で頻繁に見られる課題点です。
その人のホンネを理解することで人は変身できる
実に多くの人が、時に無意識に、他人の欠点にばかり目を向けてしまう。そして非難された相手はおろか、周囲も、そして自分自身も不幸にしてしまいます。
そんな人たちにはある共通点があります。これを理解・共感できるかどうかがこの先の展開を左右します。
「他人の欠点ばかり見る人」の共通点
相手の欠点ばかりに目を向けてしまう人。
それは、実は「自分自身に自信が無い=自己肯定感が低い」ことに原因があります。
自分に自信が無い人の精神状態は、いわば常に不安に付きまとわれている状況です。
アメリカ・ケンタッキー州の心理学者Kevin Chapman氏によると、男性は特に(「強く」なければならないと言うジェンダー的期待に沿うかたちで、)不安を表現するのに「攻撃的」な態度として表出した方が社会的に受け入れられやすい、と主張しています。
不安を表出するために無意識のうちに取っている行動が、「他人のミス、欠点を見つけ、指摘する」という行為。つまり、他人の欠点ばかりを見る人は、その不安を表出する手段がほかに無いために、無意識に他人を攻撃してしまっているのです。
特に管理職は常に責任ある仕事を要求される、プレッシャーのあるポジションであるがために、心の内では常に悩みや不安と言ったストレスを抱えている状態です。それゆえつい部下の欠点を見つけやすくなってしまいます。
その人が変身するのに必要なもの
では、どうしたらこの負のスパイラルを打破できるのか。
まずは自分自身に自信を持つ=自己肯定感を上げることが肝要です。
自分を安心させる、そしてはじめて他人を安心させられる。そのためにはまず自分を好きになることから始まります。
では次は「自分を好きになる」ためには何をすれば良いでしょうか。
「あら探しをする人」を「現場のキーパーソン」に変える

自信を持つ=自分を好きになるには?
そもそも自分に自信を持てている人とそうでない人の差はどこに現れるのでしょうか。
当然ですがここで言う自信とは「自分を信じること」です。
客観的に想像するために、ここでは一度他人に置き換えて考えてみましょう。
たとえば。
失敗の許されない、大事な仕事を任せるとしたら、あなたはどのような人に託すでしょうか。
当然「信用できる人」を第一に考える筈です。
では、信用できる人とそうでない人の違いを掘り下げてみましょう。
20代の新入社員と40代のベテラン社員、2人ともやる気は十分、仲も同様に良好です。
失敗できない重要な仕事を任せるとしたら、後者を選ぶ人が多いのではないでしょうか。
何が彼らの信用度を分けたのでしょう。
彼らの決定的な違いは、「20年間の経験」です。
40代のベテラン社員は今まで数多くの現場を乗り越えてきたという経験、つまり実績があります。ここがあなたの信頼を得るに至った理由です。
この実績を得るためには、まず前提として何かしらに「挑戦」し、「行動」を起こしていなければいけません。
行動を起こして必ず成功するとは限らないのは当然です。しかし、行動を起こさずに成功を得る事はまずあり得ません。ゆえに、仕事をして年を重ねる限り、人は常に挑戦する姿勢を持たなければいけません。
この「挑戦」こそが、「自分を信用できない人=自信を持てない人」から脱却するカギとなります。
小さな挑戦の積み重ねがやがて「自己肯定感=自信」を形成する
「早起きして朝活をする」「資格の勉強を始めてみる」「ダイエットに挑戦してみる」…など、最初はどんな小さな身近な事でも構いません。まずは何かしらに「挑戦」し、「行動」を起こしてみることが非常に重要です。
一般的に「なにかをしようと思った人」から「実際に行動を起こす人」に発展できる割合は20%程度だと言われています。
つまり小さくとも「行動を起こせた」と言う時点で、既にあなたはその数少ない20%に入ることができるのです。
運が良ければそのまま資格を取得できたり、ダイエットに成功したり、次なる成功をも手に入れる可能性も十分考えられるので一石二鳥でしょう。
こうした「やった」「できた」と言う小さな成功体験を実績として積み重ねていくことで、今までやってきたと言う「実績」を持つ自分を肯定する気持ちが生まれ、やがてその肯定感が不安を払拭し、最終的には「自信」へと変わっていきます。
自信のあるリーダーになることから職場環境を変えていく
- 行動力があり、積極的に挑戦する
- 自分に自信があり、堂々としている
- 必要以上に失敗を責めたり、あら探しをしない
このようなリーダーが居る現場になってはじめて、部下も安心して仕事ができるようになります。
職場の環境を変えるためには、まず自分から変化し、成長する姿勢が大切です。
率先して挑戦する上司を見た部下はいずれその人を信用し、その姿勢を見習う。「負のスパイラル」を「好循環」へと転換していくことで、現場の生産力向上に繋がります。