人材育成の課題にリフレーミングによるアプローチを

失敗を乗り越えられる人材を育成する

ビジネスに於いて一度も失敗したことがない!と言う完璧な人は居ない筈です。
むしろ誰しもが失敗を経て成長します。

しかし時に、その上近年では割と頻繁に、そのまま「挫折」と言う壁に当たり諦めてしまう人が出てきてしまいます。

「せっかく優秀な社員だったのにもったいない…」
「なぜあの人が折れてしまったのか…」

そんな歯がゆい思いを経験した人も多いのではないでしょうか。結果として人員の補填に追われたり、そもそも社員が定着せずにひっぱくしていると言う課題を抱えた現場も多々あります。

失敗の対処ができる人・できない人

誰もがいずれは経験する「失敗」。そこを乗り越えられるかどうかで明暗が分かれます。では、どうしたら失敗を糧に成長できるような人材を育成できるでしょうか。

具体的には失敗のダメージを減らしプラスに捉えられる人とそうでない人、そこから「超回復」を起こして成長できる人とできない人の違いを掘り下げることで、社員の離職率を下げ、かつ今いるメンバーの潜在力を最大限に引き出すことができます。

「超回復」で人は強くなる

超回復とは?

筋トレをする人には馴染みのある単語ですが、そもそも筋トレとは、肉体に適切な負荷をかける事により筋線維を意図的に損傷させる工程を指します。

私たちの身体は傷ついた肉体を修復、かつ前受けた負荷にも耐えられるよう少し強度を増して回復するように反応します。そうして繰り返し負荷を受けることで次第に負荷に負けない強靭な身体へと成長していくことを「超回復」と呼びます。

しかし、破壊された筋線維をそのまま放っておいてしまっては折角のトレーニングも「ただ身体を傷つけただけ」の無駄な時間に終わってしまいます。

そこで傷ついた身体を「超回復」させるために必要な物が、十分な「栄養(筋トレの場合はプロテインですね)」と「休息」です。

筋力の増強を目指すアスリートは高負荷なトレーニングはあえて毎日はせず、むしろ数日間の「休息=回復期」を挟んでトレーニングを繰り替えすことでより効率的な成長を促進します。

超回復はメンタルにも応用できる

こころと身体は密接に結びついています。

休日に好きな事をする、ストレッチをしたり身体を動かす、あるいは「何もしない」をする(中にはそれを”怠惰”と呼ぶ人もいますが、これも立派な休息の取り方のひとつです)ことによってこころと身体を十分に休め、また新たな気持ちで次の平日を迎えることができます。

そしてそれと同時に「失敗によるダメージを乗り越えた」と言うひとつの実績がその人の内に積み上げられ、やがて無意識のうちに自信と安定にも繋がります。

超回復できない人の特徴

英語にはこのようなことわざがあります。

"All work and no play makes Jack a dull boy."
 直訳:遊ばないで仕事ばかりする子供はつまらない子になる。
 意訳:よく学び、よく遊べ

遊びや余裕と言ったものが人間の成長にどれだけ重要か、お分かりいただけましたでしょうか。
真面目でやる気に満ちていて、休日も返上して働いてしまうような人ほど、実は試練に突き当たった時耐えきれずに立ち止まってしまうケースが多いです。

身近に真面目すぎる社員がいたら、時には肩の力を抜いてリフレッシュするようにアドバイスしてみるのも人材育成の大切な一環と考えられるでしょう。

近年注目を集める「マインドセット」

では失敗を乗り越えるにあたって、休日にできる超回復だけが重要なのでしょうか。
いいえ、失敗のダメージを受ける際の「捉え方=こころの受け身」の取り方も同様に重要な要素となってきます。
次は近年普及しつつある「マインドセット」と言う言葉についてご説明しましょう。

マインドセットとは?

mind set

経験、教育、先入観などから形成される思考様式、心理状態。暗黙の了解事項、思い込み(パラダイム)、価値観、信念などがこれに含まれる。

マインドセットの意味 -MBA経営辞書- goo辞書

その人が生まれ持った性格、育ってきた経緯、そして現在置かれている環境による影響など、様々な要因から構成された「その人の考え方・思考のクセ」を「マインドセット」と呼びます。
例えば一般的に「ポジティブ思考・ネガティブ思考」と呼ばれるものも、マインドセットと言えるでしょう。

マインドセットには大きく分けて2種類の型があり

(1)成長型マインドセット

「人間の能力は本人の努力によって成長できる」と言う捉え方に基づくもの
このタイプの人は能力を開花させるための努力を惜しまず、柔軟な考え方ができると言われています。

(2)固定型マインドセット

「人間の能力は生まれつき定まって(固定されて)おり、努力では変えられない」と言う考え方に基づくもの
このタイプの人は困難に直面した時にくじけやすく、一般的に「ネガティブ思考」とも言い換えられます。

ビジネスの現場においてどちらが理想的か、と言えば答えは明白です。
ではどうしたらこの「成長型マインドセット」を身に着け、困難に負けない・成長できる人材へと昇華できるでしょうか。

失敗の心理的ダメージを減らし、エネルギーへと転換するリフレーミング

よくマインドセットと同時に語られる言葉として「リフレーミング」が挙げられます。

リフレーミングとは、普段とは違った視点から物事を捉えることで物事をポジティブに考える取組みを指し、
分かりやすく言えば「発想の転換」、「言い換えの技術」とも言い表せるでしょう。

日頃からこのリフレーミングを繰り返し、思考のクセを付けることで、次第にポジティブで柔軟な思考回路=成長型マインドセットを手に入れる事ができるようになります。

リフレーミングに挑戦

ここで早速リフレーミングの練習をしてみましょう。

この記事をお読みの方の中でリフレーミングについて「知っている」人はきっと沢山いると思いますが、実際に「やったことがある」人は意外と少ないのではないでしょうか。(これを「能力の5段階」と言いますが、これについてはまた次の機会で取り上げますのでどうぞご期待ください。)

では、問題です。

【実践問題①】

まずは、あなたの短所を思い浮かべてみてください。

「優柔不断」、「仕事が遅い」、「おっちょこちょい」、「飽きっぽい」、「怒りっぽい」、色々あると思います。
では次に

  • 「優柔不断」 → 「慎重派」

と言った具合に、それらをポジティブに言い換える言葉を考えてみましょう。

考え中(※画像はイメージです)

正解例

  • 「仕事が遅い」 → 「正確な仕事ができる」
  • 「おっちょこちょい」 → 「失敗を恐れない」
  • 「飽きっぽい」 → 「多趣味、流行に敏感」
  • 「怒りっぽい」 → 「妥協しない」
  • 「冷たい」 → 「効率主義」
  • 「つまらない」 → 「沈着冷静」

もうお気づきになりましたでしょうか。
あなたが自分で「これは短所だ」と思っていたことは、実は同時に長所でもあったのです。

「これは欠点だから直そう」と言う考え方も大切ですが、逆に

「ここは自分の強みだから積極的にウリに出そう」

と言う方向にも考えられるので、これによって自分の生き方・在り方の選択肢がひとつ増やせることになります。

【実践問題②】

ここでは少し有名な例を取り上げます。

あなたはシューズメーカーの海外展開の担当者です。
早速アフリカへ靴を売りに行きましたが、しかし行った村では靴を履くと言う文化が無く誰もが裸足で町を歩いていて、このままではとても靴を売ると言う事などできそうにありません。
さて、あなたは母国の上司へどう報告するでしょうか。

考え中(※画像はイメージです)

正解例

「ここはブルーオーシャンです!さっそく村人に靴を履くことのメリットを宣伝しましょう!」

あまりにも有名な例でしたね。

しかし、正解はこれだけでしょうか。

最初は村隣の都会で靴を売り「都会では靴と言うものが流行しているぞ!」と村に戻って宣伝しましょう!

例えばこんな別解があっても良いのではないでしょうか。

ビジネスにおいては時に、如何に柔軟に考えられるかが求められます。
成長型マインドセットを発達させれば、より柔軟な発想ができるようになるでしょう。

まとめ

実際にやってみて、その難しさと楽しさがお分かりいただけましたでしょうか。きっと本で読む(知る・わかる)のと、実際にやってみる(やる・できる)のとでは大分違って感じたことと思います。

今まで同じように育てても逆境をバネに急成長できた社員とはこれらを上手く取り入れるマインドセットが入社前から備わっていた人で、そこで「そうでない社員」との差が付いていたのです。
しかし、これらのスキルは正しいコーチングと反復練習によって後天的に身につく能力。入社後にトレーニングをすることで逆境にも負けないタフなメンタリティを持った社員へと成長させることは十分可能です。

「知っている」だけでは活用されないリフレーミングのノウハウ。是非自分で「やって」、職場の仲間に「教えて」、どんどん実践しましょう!

この記事を書いた人

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