【感情デザイン】主体性と協調性の関係性とは?
皆さま、こんにちは!
皆さまは自分自身のことをどう認識していますか?☺
自分自身を理解しようとするとき、
よく何らかの物差しで人の特徴を捉え、いくつかのパターンに括ろうとします。
これは昔からの傾向で、
例えば血液型の特徴や心理テストなどみんな好きですよね。
最近ではMBTI診断が若者を中心に人気で
企業研修などにも取り入れている場面も見受けられます。
これらのいわゆる”性格診断”ですが、
【確かに】と思う事が多い一方で、
ふと【どっちが大事なんだろう】と思う事もありませんか?
例えば“合理的と感情的”、”継続性とスピード”、”固い意志と柔軟性”
などは性格診断でよく分類分けに使われるものさしです。
主体性、協調性という概念もこのように使われることが多いですね。
この主体性と協調性は多くの人が
学生時代から社会人まで求め続けられます。
主体性と協調性、あなたはどのように捉えていますか?
どちらも重要であり求められるこの2つをそのまま受け取った時、
相反するような感覚ってありませんか?
今回は、主体性と協調性の関係を軸に、
それらの正体と重要性をお伝えしていきます✨
1.主体性と協調性
主体性と協調性はよく使われる単語なので、
何となく意味は分かると思います。
ただ似た単語や概念が多く存在するので、
まずはそれぞれの単語から定義していきましょう。
1)主体性
まずは主体性について考えてみましょう。
主体性とは何でしょうか?
主体性を分解してみましょう。
“主体”と物事の性質や傾向を表す”性”が組み合わさっています。
主体を辞書で引いてみると、
「自覚や意志に基づいて行動したり作用を他に及ぼしたりするもの」
「物事を構成するうえで中心となっているもの」と出てきます。
つまり何か行動したり、影響を及ぼしたり、構成したりする際の
始まりにいる(なる)人のことを主体といいます。
矢印の根本という表現がイメージしやすいかもしれません。
「自分が発信して物事を実行できる力」とも言い換えられます。
2)協調性
主体性に対し、
協調性は
「互いに協力し合うこと。利害の対立した者同士が、おだやかに問題を解決しようとすること。」である”協調”と”性”が組み合わされています。
さらに分解すると、
“協”は「あわせる」「たすける」とも読み、力を合わせるという意味を持ち、
”調”は「ととのえる」「やわらげる」という読み方もして、調和や整えるという意味を持ちます
つまり協調はただ力を合わせるのではなく、
メンバーの中での折り合いを付けながら進めるという文脈に
大きな意味を持つのではないでしょうか。
2.主体性と協調性の歩み
近年、特に主体性を求める企業が多くなっているように感じます。
学校教育においても
アクティブラーニングや探究活動を重視するようになり、
主体性を育む教育を推し進めています。
そういった意味では特に若い世代では”主体性”というのは
目の前にあり続けるハードルの1つなのかもしれません。
それに対し協調性は昔から大事にしている価値観といえるでしょう。
場の空気を読み、相手の考えを推察し、
その場に合った言動をするというのは
日本人らしさの代名詞とも言えるほど実践されてきています。
協調性が無いと判断されると「空気が読めない」「自己中心的」
という評価をされてしまいます。
日本人から見た欧米人らしさの象徴でもある主体性と
聖徳太子の「和を以て貴しとなす」から重要視され、日本人らしさの象徴でもある協調性
というのがこの2つの単語の一般的なイメージなのではないでしょうか?
3.協調性と類語
“協調”には多くの似た概念が存在します。
代表的なものとしては“協力”,”協同”が挙げられます。
結論に入る前にこの言葉の違いを明確にすることで、
前章の協調性=日本人的という表現を否定し、
協調は組織において重要な要素であり、日本人が苦手である
と、お伝えしていきたいと思います。
まずは言葉の定義ですが、それぞれ以下のような意味を持ちます。
こうして比較した時に気付くこととしては、
1)協調
「利害や要望が一致していない状態でも」という側面が強い
2)協力
「目的」に対して力を合わせる
3)協同
力を合わせた「上で」何かをする
こう見てみると、
協調という単語には根底に自身の思いがあるのが分かります。
つまり、協調性が重要という旗の下には、
「一人一人が主張や議論をしながら、喧嘩するのでは無く、お互いの主張を調和しながら、物事を進めていく力があるかどうか」
という隠れた意味があるのではないでしょうか。
そう考えると日本人的であるという評価はそぐわないと思います。
また、「日本人は特にディスカッション(議論)が苦手で、
ディベート(討論)をしてしまいがちである」
とよく言われます。
それは歴史的背景があり、
日本は「単一民族国家」としてここまで来ていて
違いを違いと認める、いわゆる”多様性”に慣れていないからなんだそうです。
最近になって人種、ハンディキャップを持つ人々、性自認
といったことに対して多様性についての議論がなされるようになりました。
そういった意味でも本質的な協調性が問われるようになってきているといってもいいかもしれません。
4.主体性と主体性の衝突
話の軸を主体性に移しましょう。
主体性は非常に重要な要素です。
主体性がなければ、「やる気が無い」「会社に利益をもたらさない」
という評価を受けてしまうかもしれませんし、
主体性が高い人は会社からの評価や市場価値も高いといえるでしょう。
しかし、単に主体性が高い人を10人集めて議論をさせたらどうでしょう?
主体性が高いという事は、自分の意見を強く持ち、それを発信することができます。
議論のテーマに対して各々が主張します。
その時に人間は必ず合わない意見もあるはずです。
そんな時、主体性と主体性がぶつかり、
事故(ディスカッション)が起きてしまいます。
お互いが主張しあい、意見がまとまらず、
細かい部分を否定しあい、時間ばかりが過ぎてしまう。
これでは元も子もないですよね。
そんな時に主体性と主体性の衝突を避けるのが協調性なんです。
相手の主体性を理解し、
その調和を図ることでその場の最善を選択することができます。
このことを前章での定義をふまえて考えると、
主体性は協調性の根本であり、協調性が主体性と主体性を繋げ、
相乗効果をもたらすとも言えるでしょう。
そう考えると主体性、協調性どちらが大事かという議論や
私は主体性が低く、協調性が高いんだという診断が本質ではないような気がしませんか?
(もちろん楽しんだり、コミュニケーションの材料にしたりするにはいいですが。)
主体性、協調性どちらがではなく、どちらも重要であり、
それらを両立させることを現代では求められているというのが
2つの単語の本質的な理解ではないでしょうか。
5.最後に
ここまで主体性と協調性についてお伝えしてきましたが、
結論としては
“2つは繋がっていてどちらも大事”です。
主体性が無いと協調性は発揮できず、
協調性が無ければ、主体性は衝突し、良い結果を生み出せない。
相手の主体性(主張やその理由、背景)を読み取ったうえで、
自身の主体性も伝え、その調和を図っていく。
そうすることでそのコミュニティでのコミュニケーションは
より良いものになっていくと思います。
ぜひ生活の中で、”相手の”主体性を意識してみてください。
きっと職場や家族、友人との人間関係に気づきがあると思います✨
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